社外部品は使っても大丈夫?純正部品との違いと整備士の考え方

故障修理

車検や修理の見積もりで、純正部品と社外部品のどちらを使うか迷ったことはありませんか。

社外品は純正品より安いことも多い一方で、

「壊れやすくないの?」
「純正でないと車に悪い?」
「安い部品を選んで、あとから損をしない?」

と心配になる方もいると思います。

結論からいうと、車への適合が確認できていて、信頼できるメーカーの社外部品であれば、問題なく使えるものはたくさんあります。

実際に整備工場でも、社外部品は普通に使われています。

ただし、すべての部品を同じ基準で選べるわけではありません。

社外品でも選びやすい部品がある一方で、純正のまま使い続けたほうが結果的に安く済む部品や、品質を慎重に見たほうがよい電装部品もあります。

この記事では、20年以上整備の現場で部品を選んできた経験をもとに、純正部品と社外部品をどう考えればよいのかを分かりやすく解説します。

純正部品と社外部品の違い

純正部品とは、その車のメーカーが自社の車用として設定している部品です。

車種や型式に合わせて作られているため、適合で迷いにくく、取り付けやその後の整備でも困りにくいという安心感があります。

一方、社外部品は、車のメーカー以外の部品メーカーが製造・販売しているものです。

社外品には幅広い種類があり、純正品と同等の用途で使う補修部品もあれば、性能や使い方を変えるための部品もあります。

この記事では、主に車検や修理で使用する補修用の社外部品について説明します。

社外品は純正品より価格を抑えられることがありますが、メーカーや商品によって品質、耐久性、保証などが異なります。

そのため、単に「社外品だから安い」「純正品だから安心」と決めつけるのではなく、部品ごとに考える必要があります。

社外部品だから品質が悪いとは限らない

社外品と聞くと、純正品より品質が低いというイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、私の勤務先でも、車検や一般修理で社外部品を使うことは珍しくありません。

部品商を通して整備工場が仕入れる社外品は、車種への適合を確認したうえで、ある程度実績のあるメーカーの商品を選ぶのが一般的です。

そのため、社外品だから使えないということではありません。

大切なのは、次のような点です。

  • 車種、型式、年式に適合しているか
  • 信頼できるメーカーや販売元の商品か
  • 極端に安すぎる商品ではないか
  • その部品に求められる品質や耐久性はどの程度か

同じ社外品でも、整備工場が通常の仕入れ先から手配するものと、購入先や製造元がよく分からない格安品では、同じようには考えられません。

社外品でも選択肢になる部品

私の経験では、適合が確認できている信頼できる社外品なら、次のような部品は普通に選択肢になります。

  • ブレーキパッド
  • ブレーキローター
  • ロアアーム
  • ハブベアリング
  • 足回りのリンクやブーツ類
  • フィルター類
  • ベルト類

もちろん、車種や商品によって判断は変わります。

たとえばロアアームであれば、単に形が似ているだけではなく、取付位置や寸法、ライトの高さを検知する部品の取付部などが適合しているかを確認する必要があります。

適合に問題がなく、よほど品質に不安のある商品でなければ、社外品も現実的な選択だと思います。

実際、整備工場で使っている部品も、すべてが自動車メーカーの純正品というわけではありません。

社外品を使うこと自体は、特別なことではありません。

ブレーキパッドは純正と社外のどちらがよい?

ブレーキパッドは、純正品と社外品の違いを聞かれやすい部品です。

パッドの材質によって、

  • 効き方
  • 鳴きやすさ
  • ダストの量
  • ローターへの攻撃性
  • 耐久性

などに違いが出ることがあります。

ただし、純正品なら必ず鳴かず、社外品なら必ず鳴くというものではありません。

純正パッドでブレーキ鳴きが出ていた車が、社外パッドへ交換したあとに鳴かなくなったという話を聞くこともあります。

一方で、鳴きはパッドの材質だけでなく、面取りの状態、ローターとの相性、取付状態、グリスの塗布などにも影響されます。

そのため、

「社外パッドへ替えれば鳴きが必ず止まる」

とは言えません。

私なら、車への適合が確認できていて、整備工場で使用実績のあるメーカーの商品であれば、社外ブレーキパッドも普通に選択肢に入れます。

ブレーキに関わる部品だからこそ、価格の安さだけではなく、メーカーや仕入れ先も含めて選ぶことが大切です。

ワイパーは純正を使い続けたほうが安いこともある

社外品でも問題なく使えることが多い一方で、ワイパーは少し考え方が違います。

最近の車に使われているエアロワイパーは、普通に使用している限り、ブレード本体に大きなガタが出ることはそれほど多くありません。

雪が積もった状態で無理に動かすなど、ワイパーやモーターへ強い負担を何度もかけなければ、基本的にはゴムだけ交換して使い続けられるケースが多いです。

そのため、純正ブレードを残したまま、純正の交換用ゴムだけ替えていくほうが、長い目で見ると安く済むことがあります。

一方、ガソリンスタンドや用品店などで社外ワイパーブレードへ交換すると、次回ディーラーや整備工場へ入庫したときに、在庫している純正ワイパーゴムが合わない場合があります。

その場合は、

  • 適合する社外ゴムを別に手配する
  • 社外ブレードごと交換する
  • 純正ブレードへ戻す

といった対応が必要になり、ゴムだけ交換するより高くなることがあります。

もちろん、最初から社外ブレードを使い、その後も社外品で交換し続けるのであれば、それも一つの選択です。

社外品が悪いという話ではなく、次回以降にどこで、どのように交換するのかまで考えて選んだほうがよいということです。

イグニッションコイルは慎重に選びたい

イグニッションコイルのような電装部品は、私は社外品の中でも慎重に考えます。

以前、お客様が持ち込んだ社外イグニッションコイルを取り付けた車で、半年もたたずに故障したことがありました。

一度だけではなく、別の車でも同じように半年ほどで故障した例があります。

どちらもメーカーや購入先がはっきりせず、インターネット通販などで購入した安価な商品だった可能性があります。

取り付け前には、

「こちらで用意した部品ではないため、早く壊れた場合の部品保証まではできません」

ということを説明していましたが、実際に短期間で故障してしまいました。

ただし、この経験だけで、社外イグニッションコイルがすべて悪いとは言えません。

純正部品を製造しているメーカーや、補修部品で実績のあるメーカーの商品もあります。

注意したいのは、出どころが分からず、相場と比べて極端に安い商品です。

イグニッションコイルが再び故障すると、エンジン不調や警告灯点灯につながり、もう一度診断や交換作業が必要になります。

そのため私は、イグニッションコイルについては、純正品または実績のあるメーカー品を優先して考えます。

持ち込み部品は整備工場で用意した部品と扱いが違う

社外品を使う場合、整備工場が仕入れた部品と、お客様がインターネットなどで購入して持ち込んだ部品では、扱いが異なることがあります。

整備工場が用意した部品で不具合が出た場合は、工場から仕入れ先へ確認し、部品の初期不良なのか、取付作業や別の原因なのかを調べます。

一方、持ち込み部品では、

  • 本当に車へ適合しているか
  • 商品が正規品なのか
  • 購入前から不具合がなかったか
  • 販売店の保証が使えるか

を整備工場側で確認できないことがあります。

そのため、持ち込み部品を取り付けてもらう場合は、万が一早期故障しても、購入先とのやり取りを自分で行う必要があることを理解しておいたほうがよいでしょう。

持ち込み自体を受け付けていない工場もあるため、購入する前に取付店へ確認するのがおすすめです。

社外品を選ぶときは価格以外も確認する

社外品を選ぶときは、価格だけではなく、次の点も確認しておくと安心です。

適合が確認できるか

車名だけでなく、型式、年式、エンジン型式、装備の違いなどで部品が変わることがあります。

見た目が似ていても取り付けられないことがあるため、品番や適合表を確認する必要があります。

信頼できるメーカーか

社外品には、純正部品の製造にも関わるメーカーから、販売元が分かりにくい格安品まであります。

社外品という言葉だけで品質を判断せず、メーカーや販売実績を見ることが大切です。

交換後の整備で困らないか

ワイパーのように、一度社外品へ替えると、次回から使える交換部品が変わるものもあります。

今回の交換費用だけでなく、次の交換方法まで確認しておくと、思わぬ出費を避けやすくなります。

極端に安すぎないか

同じ用途の部品と比べて極端に安い商品は、耐久性や品質管理に差がある可能性があります。

安さに理由がある場合もありますが、重要な部品ほど慎重に選んだほうが安心です。

純正か社外かは部品ごとに考える

純正品と社外品のどちらがよいかは、一律には決められません。

ブレーキパッドやロアアーム、ハブベアリングなどは、適合が確認できた信頼できる社外品であれば、十分選択肢になると思います。

ワイパーは、純正ブレードを残してゴムだけ交換し続けるほうが、結果的に安く済むことがあります。

イグニッションコイルのような電装部品は、短期間で再故障すると診断や交換をやり直すことになるため、メーカーや品質をより慎重に見たいところです。

つまり、

「純正品か社外品か」だけではなく、「どの部品を、どこの商品で交換するのか」が重要です。

分からない場合は、見積もりを出した整備工場へ、

「この社外品は普段から使っている商品ですか?」
「純正との違いは何ですか?」
「次回の交換で困ることはありませんか?」

と確認してみるとよいでしょう。

まとめ

社外部品だから品質が悪い、純正部品なら絶対に安心というわけではありません。

適合が確認できていて、信頼できるメーカーの商品であれば、整備工場でも社外部品は普通に使われています。

一方で、すべての部品を価格だけで選べるわけではありません。

ワイパーのように、純正を使い続けたほうが長期的に安く済むものもあります。

イグニッションコイルのように、出どころの分からない安価な商品では、短期間で故障する可能性も考えて慎重に選びたい部品もあります。

私が社外品を選ぶときに重視しているのは、

  • 車に適合していること
  • 信頼できるメーカーの商品であること
  • その部品で実際に使用実績があること
  • 次回以降の整備で困らないこと

です。

社外品は、上手に選べば修理費を抑えられる現実的な選択肢です。

ただし、今の価格だけを見るのではなく、耐久性や今後の交換方法まで含めて考えることが、あとから後悔しない部品選びにつながると思います。

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