「ブレーキパッドは、何mmになったら交換ですか?」
お客様から聞かれることがあります。
私の場合、残り4mmくらいになると交換を検討し、2mm程度ならかなりギリギリだと考えています。
ただし、ブレーキパッドは残りの厚さだけで交換時期を決めるものではありません。
次の点検までに何km走るのか、途中で状態を確認できるのかによっても、判断は変わります。
新品のブレーキパッドは9mm前後
車種によって違いますが、新品のブレーキパッドは9mm前後のものがあります。
私の現場感覚では、年間1万kmほど走る車なら、1年間で1mm以上減ることを想定して、少し余裕を持って考えています。
もちろん、車種や運転の仕方、道路状況などによって減り方は変わるため、すべての車が同じではありません。
残り4mmは、すぐ危険という意味ではありません
残り4mmだからといって、すぐにブレーキが効かなくなるわけではありません。
ただし、そこからあと2万kmほど走れば、かなり残量が少なくなる可能性があります。
「あとどのくらい走れるだろう」
「キーキー音が鳴ったら、ブレーキパッドかな」
と気にしながら乗り続けるのも不安だと思います。
そのため、次の点検までにかなり減りそうな場合は、余裕があるうちの交換をおすすめしています。
同じ4mmでも、交換判断が変わることがあります
たとえば、年間5,000kmほど走り、1年後にも点検を受ける方なら、残り4mmでもすぐには交換をおすすめしないことがあります。
次回の点検で、もう一度残量を確認できるからです。
一方、年間5,000kmでも、次の車検まで点検を受けない方には、交換をおすすめすることがあります。
また、年間1万kmほど走る方の場合は、次の点検までにかなり減る可能性があるため、残り4mmなら基本的には交換をおすすめします。
つまり、大切なのは現在の厚さだけではなく、次に確認できるまで何km走るかです。
残り2mmはかなりギリギリです
残り2mm程度まで減っている場合は、かなり交換時期が近い状態です。
車種によっては、パッドに付いている金属の摩耗インジケーターがローターに触れ、キーキーという音で交換時期を知らせます。
さらに減ったまま使用すると、パッドの金属部分がローターに当たり、ローターまで傷めてしまう可能性があります。
パッド交換だけで済むうちに交換した方が、修理費用も抑えやすくなります。
左右で残量が違う場合は、少ない方を基準にします
前輪と後輪でパッドの減り方が違うのは、珍しいことではありません。
ブレーキをかけたときの荷重やパッドの大きさ、車両の前後重量、メーカーの設計によっても減り方は変わります。
ただし、同じ車軸の左右で残量に差がある場合は注意が必要です。
左右差があるときは、残量の少ない方を基準に考えます。
2mmほど差があれば、キャリパーやスライド部分の動きに問題がないか確認します。
4mmほど差がある場合は、固着などの不具合がないか、より注意して点検します。
なお、ブレーキパッドを交換するときは、同じ車軸の左右を一緒に交換するのが基本です。
ローターの状態も一緒に確認します
ブレーキパッドは、パッドだけで交換できる場合も多いです。
ただし、ローターの摩耗が大きい、段付きが強い、表面が荒れている、ブレーキ鳴きや振動があるといった場合は、ローターの研磨や交換もおすすめすることがあります。
ローターの状態が悪いまま新しいパッドを取り付けると、当たりが悪くなったり、音や振動が残ったりすることがあるためです。
ローターには車種ごとに使用限度があり、厚みや表面状態を確認したうえで判断します。
車検や点検と一緒に交換すると、工賃を抑えられる場合があります
ブレーキパッドは、車検や定期点検でタイヤを外しているタイミングに交換すると、単独で後日交換するより工賃を抑えられる場合があります。
店舗の料金設定によって違いますが、点検時にパッド残量が少なくなっていることが分かり、近いうちに交換が必要になりそうなら、その場で一緒に作業する方が負担を減らせることもあります。
ただし、まだ十分に残量があるのに、工賃が安くなるという理由だけで早く交換する必要はありません。
残量、走行距離、次の点検時期を見ながら決めるのがよいと思います。
まとめ
ブレーキパッドは、残り4mmだから必ず今すぐ交換、というものではありません。
私が交換時期を判断するときは、
- 現在のパッド残量
- 年間走行距離
- 次に点検を受ける時期
- 左右の残量差
- ローターの状態
をまとめて考えます。
残り4mmでも、次の点検までに多くの距離を走るなら、余裕があるうちに交換した方が安心です。
一方、走行距離が少なく、1年後にもう一度点検できるなら、その時点で再確認する方法もあります。
何mm残っているかだけでなく、次にいつ確認できるかまで考えて交換時期を決める。
それが、ブレーキパッドを安全に使うための現実的な判断だと思います。
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