エンジンを切って車から降りたあと、
「ブレーキを踏んでいないのに、後ろの赤いランプが点いたままになっている」
と気づくことがあります。
ブレーキランプが消えない原因はいくつかありますが、私が整備の現場で経験してきた中では、ブレーキペダル付近にある小さなストッパーが割れたり欠けたりして起きているケースがあります。
この部品が原因なら、比較的小さな修理で済むこともあります。
一方で、ブレーキランプを長時間点灯させたままにすると、バッテリーを消耗させる原因になります。
この記事では、ブレーキランプが消えないときに、
- 自分で何を確認すればいいのか
- そのままにしても大丈夫なのか
- 整備工場には何を伝えればいいのか
- どんな修理になることがあるのか
- 修理費はどのくらいなのか
を、実際に整備した例も交えて説明します。
まず本当にブレーキランプがつきっぱなしなのか確認する
最初に確認したいのは、点灯しているのが本当にブレーキランプなのかということです。
車の後ろには、ブレーキランプ以外にもスモールランプなどがあります。
まずは安全な場所に車を停め、ライトスイッチが入ったままになっていないか確認してみてください。
ライトスイッチをOFFにしても、ブレーキを踏んでいない状態でブレーキランプが明るく点灯したままなら、ブレーキランプを作動させるスイッチや、その周辺などに異常が起きている可能性があります。
一人では後ろのランプを確認しにくいため、家族などに見てもらう方法もあります。
ここで大切なのは、自分で故障箇所まで特定することではありません。
「ブレーキを踏んでいないのに、ブレーキランプが消えない」
ここまで分かれば、整備工場へ相談するには十分です。
ブレーキランプが消えない原因のひとつがペダル側のストッパー
ブレーキペダルの付近には、ブレーキランプの点灯・消灯に関係するスイッチがあります。
一般的な仕組みでは、ブレーキペダルから足を離しているときは、ペダル側がスイッチを押しています。
ブレーキペダルを踏むとスイッチから離れ、ブレーキランプが点灯します。
このとき、ペダルとスイッチが当たる部分に小さなストッパーが使われている車があります。
このストッパーが割れたり欠けたりすると、ブレーキペダルから足を離してもスイッチを正常に押せなくなることがあります。
すると、ブレーキを踏んでいないのにブレーキランプが消えなくなることがあります。
もちろん、ブレーキランプが消えない原因がすべてストッパーとは限りません。
ブレーキランプスイッチ本体や配線など、別の原因も考えられます。
そのため、症状だけで「この部品が原因」と決めつける必要はありません。
実際にストッパーが欠けてブレーキランプが消えなくなった例
実際に私が確認した車でも、ブレーキを踏んでいないのにブレーキランプが点灯したままになっていました。
幸い、車の持ち主がバッテリー上がりを起こす前に異常に気づき、ロードサービスへ相談しています。
現場では応急的な処置がされ、その後、整備工場で確認することになりました。
ブレーキペダル付近を確認すると、本来スイッチに当たるストッパーが正常な状態ではありませんでした。
足元には欠けたストッパーの一部が落ちていて、残っていた部品は元の大きさの半分以下になるほど欠損していました。
新しいストッパーへ交換し、ブレーキペダルを踏んだときにブレーキランプが点灯し、ペダルから足を離すと消灯することを確認して修理完了です。
この車では、ブレーキランプスイッチ本体を交換する必要はありませんでした。
私の経験では、年数が経過した車で「ブレーキランプが消えない」という相談を受けた場合、こうしたペダル側のストッパーも確認する箇所のひとつです。
走行距離だけでは判断しにくく、部品の経年劣化も関係するため、「何万kmになったら壊れる」と一概には言えません。
ブレーキランプがつきっぱなしなら放置しない
ブレーキランプが消えない状態で気をつけたいのが、バッテリーの消耗です。
エンジンを停止していてもブレーキランプが点灯し続ける車では、その間も電気を消費します。
どのくらいの時間でバッテリーが上がるかは、バッテリーの状態や車両によって変わるため、「○時間なら大丈夫」とは言えません。
「明日になったら整備工場へ行こう」と、そのまま一晩置いてしまうのは避けたほうがいいでしょう。
また、ブレーキランプは後続車にブレーキ操作を知らせる重要な灯火です。
点灯したまま走れば、後続車からは実際にブレーキを踏んでいるのか分かりにくくなります。
そのため私は、ブレーキランプが消えない状態が確認できたら、そのまま使い続けるのではなく、整備工場やロードサービスへ相談することをおすすめします。
ブレーキランプが消えないとき自分でできること
まずは安全な場所に車を停め、ライトスイッチが入ったままになっていないか確認してみてください。
それでもブレーキランプが消えない場合、自分で無理にブレーキペダル周辺を分解する必要はありません。
もし運転席の足元に小さな樹脂の破片が落ちていたら、そのことを整備工場へ伝えてください。
今回修理した車でも、実際に足元へストッパーの破片が落ちていました。
ただし、ストッパーは劣化すると細かく砕けてしまい、破片が見つからないこともあります。
そのため、
「足元に破片がないからストッパーは壊れていない」
と判断する必要はありません。
破片が見つかれば整備工場へ伝える。見つからなくても、それ以上自分で原因を探す必要はありません。
また、ストッパーの代わりになるものを自分で取り付けて走行する方法はおすすめしません。
ロードサービスでは車の状態に応じて応急的な処置をすることがありますが、それはあくまでその場での対応です。
原因を確認したうえで、必要な修理をしてもらうのがいいでしょう。
整備工場には何を伝えればいい?
車に詳しくなくても、故障原因を予想して伝える必要はありません。
今回のような症状なら、
「ブレーキを踏んでいないのに、ブレーキランプがずっと点いています。エンジンを切っても消えません」
これだけでも十分伝わります。
さらに分かれば、
- いつ気づいたのか
- エンジンを切っても点灯しているか
- 足元に何か破片が落ちていなかったか
- すでにロードサービスで応急処置をしているか
などを伝えると、状況がより分かりやすくなります。
逆に、
「ブレーキスイッチが壊れたと思います」
と故障箇所まで自分で判断する必要はありません。
同じ「ブレーキランプが消えない」という症状でも、原因は一つではないからです。
症状をそのまま伝えてもらえれば大丈夫です。
ストッパーだけなら比較的安く修理できることもある
今回の車では、原因になっていたブレーキペダル側のストッパーを新品へ交換しました。
ストッパー自体は数百円程度の小さな部品で、今回の修理では工賃を含めても合計1,000円台でした。
ただし、これはあくまで今回の修理例です。
車種によって部品価格や作業性は違いますし、整備工場によって工賃も異なります。
また、ブレーキランプスイッチ本体や配線などに原因があれば、修理内容と費用も変わります。
そのため、
「ブレーキランプが消えない=高額修理」
と最初から心配する必要はありません。
一方で、
「ストッパーが原因なら1,000円台で直る」
と考えるのも違います。
まず原因を確認してもらい、修理内容と見積もりを聞いてから判断すれば大丈夫です。
ブレーキランプが消えないときは早めに相談を
ブレーキランプが消えないと、
「ブレーキ自体が壊れたのでは?」
と心配になるかもしれません。
しかし実際には、今回のようにブレーキペダル付近にある小さなストッパーが欠けたことで、ブレーキランプが消えなくなることもあります。
まず安全な場所でライトスイッチを確認し、それでもブレーキを踏んでいないのにブレーキランプが消えないなら、無理に原因を探したり自分で応急処置をしたりせず、整備工場やロードサービスへ相談してください。
そのときは、
「ブレーキを踏んでいないのに点灯したままです」
と伝えれば大丈夫です。
原因を当てるのは整備する側の仕事です。
一般ドライバーが確認しておきたいのは、
「いつから」「どんな状態で」「エンジンを切っても消えないか」
といった、自分で分かる範囲の情報です。
ブレーキランプの異常に気づいたら、そのまま長時間放置せず、まず状況を確認して相談する。
私はそれで十分だと考えています。


