N-BOX(JF3)で、
「ドアは普通に開くのに、給油口だけ開かない」
「キーレスを操作すると音はするのに、給油口が開かない」
こんな症状が出ることがあります。
特に困るのが、ガソリンスタンドに着いてから給油口が開かなくなったときです。
今回紹介するのは、実際に私が点検したN-BOX(JF3)の事例です。
この車はいつも給油口が開かないわけではなく、整備工場に入庫すると正常に作動してしまうという、原因をつかみにくい症状でした。
最終的には給油口のロックに関係するアクチュエーターとケーブルが一体になった部品を交換し、その後少なくとも2か月は症状が再発していません。
まずは、給油口が開かなくて困っているときにどうすればいいのかから説明します。
N-BOX(JF3)の給油口が開かないときに確認すること
N-BOX(JF3)のフューエルリッド(給油口の外側のふた)は、ドアロックと連動して施錠・解錠されます。
給油口が開かないときは、まずキーレスなどでドアの施錠・解錠を2〜3回繰り返し、そのあとフューエルリッドの右端を押して開くか確認してみてください。
そのとき、給油口付近から「カチャッ」といった作動音がするか聞いておくのも一つのポイントです。
ただし、
「音がするから正常」
「音がしないからアクチュエーターが故障している」
と、それだけで判断できるわけではありません。
音がしていてもロックが正常に動ききっていない可能性がありますし、別の部分に原因があることも考えられます。
もし点検を依頼することになったら、「開かなかったときにキーレスを操作すると音はしていた」など、そのときの状況を伝えると原因を探す手がかりになります。
ガソリンスタンドで開かないときは応急的に解錠できる
キーレスなどで施錠・解錠しても給油口が開かない場合、N-BOXにはフューエルリッドを応急的に解錠する方法があります。
Hondaの取扱説明書にも「フューエルリッドが解錠できないとき」の対処方法が記載されています。
スロープ非装備車では、
- テールゲートを開ける
- 助手席側のリヤシートを前方いっぱいに動かす
- カーゴスペース助手席側にあるリッドを開ける
- 中にある解錠レバーを下げる
- フューエルリッドを開ける
という手順です。
カーゴスペースのリッドを開ける際は、取扱説明書ではジャッキハンドルバーの先に布などを巻き、傷を付けないように作業する方法が案内されています。
なお、スロープ装備車では手順の一部が異なります。実際に行う場合は、自分の車の取扱説明書も確認してください。
この方法は、あくまで給油口を開けるための応急処置です。
取扱説明書でも、応急処置後はHonda販売店で点検を受けるよう案内されています。
約9万kmのN-BOXで実際にあった症状
今回点検したのは、走行距離約9万kmのN-BOX(JF3)です。
症状は、
「ガソリンスタンドで給油口が開かないことがある」
というものでした。
ドアのロック自体は普通に作動しています。
給油口が開かなかったため、キーレスで施錠・解錠を繰り返して確認したところ、給油口をロックするアクチュエーターの作動音はしていたそうです。
それでも給油口は開きませんでした。
そのときは、先ほど紹介した応急解錠を使って給油口を開けています。
ところが、整備工場へ入庫すると普通に開きます。
実は以前にも同じ症状で一度確認されていましたが、そのときも正常に作動していたため、原因を特定できませんでした。
その後、再び給油口が開かなくなったため、あらためて点検することになった車です。
店では何度試しても正常に開いた
こういった「たまにしか出ない症状」は、原因を特定するのが難しいことがあります。
今回も給油口のロック部分や、それにつながるケーブルなどを確認しました。
同じタイプの別の車とも比較しましたが、はっきり「ここがおかしい」と判断できる異常は見つかりません。
そこで短い距離を何度か走ったり、時間を置いたりしながら、2日ほど繰り返し給油口の作動を確認しました。
それでも正常に開きます。
ただ、ここで難しいのは、
「整備工場で開いたから故障していない」
とも言い切れないことです。
実際に給油口が開かない症状は複数回起きています。
一方で、症状が再現できていない以上、
「この部品が原因です」
と断定することもできません。
今回も、点検だけでは原因を完全に特定するところまではいきませんでした。
アクチュエーターとケーブルが一体になった部品を交換
今回の症状やこれまでの経過から疑ったのが、車両後方にある給油口ロックのアクチュエーターと、それにつながるケーブル側です。
今回のN-BOXでは、アクチュエーターとケーブルが一体になった部品を交換しました。
ただし、交換前に症状を再現できていないため、
「間違いなくこの部品が原因だった」
と断定できたわけではありません。
原因を完全には特定できていないことを説明したうえで、これまでの症状からこの部品を疑い、了承をもらって交換しています。
交換後もすぐには判断せず、何度か走行しながら2日ほど給油口の作動を確認しました。
その間は正常に開いています。
その後も少なくとも2か月ほど同じ症状は再発していません。
この経過から、今回の車についてはアクチュエーターやケーブル側に何らかの不具合が起きていた可能性が高いと考えています。
今回の修理費は約2万円
今回の修理では、アクチュエーターとケーブルが一体になった部品を交換して、修理費はおおよそ2万円でした。
もちろん、これは今回の一例です。
部品価格や工賃は時期や修理する店舗によって変わりますし、給油口が開かない原因が違えば修理内容も金額も変わります。
そのため、
「N-BOXの給油口が開かないなら2万円で直る」
という意味ではありません。
今回と同じような部品を交換した場合の、一つの目安として考えてください。
一度開くようになっても、直ったとは限らない
今回のN-BOXで一番やっかいだったのは、
「開かないときがあるのに、点検すると普通に開く」
というところでした。
私の経験では、電気的に動く部品や機械的に動く部分では、こうした症状が出たり出なかったりする故障もあります。
そのため、一度開くようになったからといって、それだけで直ったとは判断できません。
一方で、一度開かなかっただけで今回と同じ部品を交換すればいい、というものでもありません。
何度か症状を繰り返しているのであれば、
「ドアロックは正常だったか」
「キーレスで施錠・解錠したときに作動音がしたか」
「応急解錠を使わないと開かなかったか」
など、そのときの状況を覚えておくと点検するときの手がかりになります。
まとめ|N-BOXの給油口が開かないときは応急解錠もできる
N-BOX(JF3)で給油口が開かなくなったら、まずキーレスなどでドアの施錠・解錠を何度か試してみてください。
それでも開かない場合は、取扱説明書に応急的な解錠方法が用意されています。
今回紹介した約9万kmのN-BOXでは、整備工場では症状を再現できませんでしたが、これまでの症状からアクチュエーターとケーブルが一体になった部品を疑って交換しました。
修理費はおおよそ2万円で、その後少なくとも2か月は再発していません。
ただし、給油口が開かない原因がすべて同じとは限りません。
一度だけならその後の様子を見るという考え方もありますが、何度も繰り返すようなら、完全に開かなくなる前に一度点検してもらうのがいいと私は考えています。
ガソリンスタンドで突然開かなくなった場合でも応急的に開ける方法はあるので、まずは給油できる状態にして、その後に原因を確認してもらうといいでしょう。


