車のチェックランプが点灯!そのまま走って大丈夫?危険な警告灯を整備士が解説

消耗品・交換時期

チェックランプが点灯したら、そのまま走っても大丈夫?

運転中に突然チェックランプが点灯すると、

「このまま走って大丈夫なのか」
「すぐに車を止めたほうがいいのか」
「整備工場まで自走してもいいのか」

と不安になると思います。

ただし、車の警告灯は、すべて同じ危険度ではありません。

警告灯が点灯していても、異音や振動がなく、近くの整備工場まで自走できる場合があります。

一方で、水温警告灯や充電警告灯、オイル警告灯などは、走り続けることで故障が大きくなったり、途中でエンジンが止まったりする可能性があります。

大切なのは、警告灯の種類だけでなく、

  • 赤色かオレンジ色か
  • 点灯しているのか、点滅しているのか
  • 異音や振動があるか
  • 加速やブレーキに違和感があるか
  • メーターに警告メッセージが表示されているか

まで一緒に確認することです。

この記事では、特に注意したい5つの警告灯に絞り、走行を続けてよい可能性がある場合と、すぐに停車したほうがよい場合を、20年以上整備の現場で車を見てきた経験をもとに解説します。

まずは安全な場所へ移動する

走行中に警告灯が点灯しても、交差点や交通量の多い道路で急停車すると、かえって危険です。

車が普通に動いている場合は、周囲の安全を確認しながら、路肩や駐車場などの安全な場所へ移動してください。

停車したら、次の点を確認します。

  • 点灯している警告灯のマーク
  • 警告灯の色
  • 点灯したままか、点滅しているか
  • メーターに表示された文章
  • エンジンの振動や異音
  • 焦げた臭いや煙
  • ブレーキやハンドルの感触
  • ほかの警告灯も同時に点灯していないか

赤い警告灯は、オレンジや黄色の警告灯より緊急性が高いものが多くあります。

ただし、赤色ならすべて同じ対応、オレンジ色なら走行しても大丈夫、と単純には判断できません。

警告灯の意味や表示方法は車種によって異なるため、取扱説明書も確認してください。

危険な警告灯と自走の目安

今回紹介する警告灯の対応を、簡単にまとめると次のようになります。

警告灯自走の考え方対応の目安
エンジン警告灯症状による振動や出力低下がなければ早めに点検
ブレーキ警告灯原因が分からなければ慎重に判断ブレーキの違和感があれば走らない
赤い水温警告灯基本的に走行を続けない安全な場所へ停車して相談
充電警告灯できるだけ早く停車突然エンジンが止まる可能性がある
オイル・油圧警告灯すぐに停車エンジンを止めて油量などを確認

これはあくまで一般的な目安です。

同じ警告灯でも、車種や故障の状態によって対応は変わります。

また、警告灯の種類にかかわらず、強い振動や異音、煙などがある場合は、無理に走行しないほうが安全です。

エンジン警告灯は症状も一緒に確認する

エンジン警告灯は、エンジンや排気ガスに関係する制御で異常が検出されたときに点灯します。

原因は一つではありません。

例えば、

  • 各種センサーの不具合
  • 点火不良
  • 燃料噴射の不具合
  • 排気ガス浄化装置の異常
  • 配線や電源の不具合

などが考えられます。

エンジン警告灯が点灯していても、すぐに走行不能になるとは限りません。

警告灯が点いているだけで、

  • エンジンの振動がない
  • 異音がない
  • 加速に大きな違和感がない
  • 白煙や黒煙が出ていない

という状態なら、無理な加速や長距離走行を避け、早めに整備工場へ相談する方法もあります。

ただし、普通に走れるからといって、長期間そのままにするのはおすすめできません。

故障の内容によっては、燃費の悪化や別の部品への負担につながることがあります。

警告灯が消えても点検したほうがよい場合がある

一度点灯したエンジン警告灯が、エンジンをかけ直したあとや走行中に消えることがあります。

この場合、完全に直ったとは限りません。

一時的に異常が出なくなっただけで、車のコンピューターに故障履歴が残っていることがあります。

警告灯が消えたあとも、

  • 再び点灯する
  • エンジンに違和感がある
  • 加速が以前と違う
  • 燃費が急に悪くなった

といった症状がある場合は、診断機を使用した点検を受けたほうがよいでしょう。

点滅やガタガタする症状がある場合

エンジン警告灯が点滅している場合は、点灯したままの状態よりも慎重に考えます。

車種によって表示の意味は異なりますが、点火不良による失火などで、排気ガスを浄化する触媒を傷める可能性があります。

また、次のような症状を伴う場合は、警告灯が点灯か点滅かにかかわらず、無理に走行しないほうが安全です。

  • エンジンがガタガタ振動する
  • 加速しない
  • エンジンが止まりそうになる
  • 異音や異臭がある
  • 白煙や黒煙が出る

私の経験でも、軽自動車でエンジンが明らかにガタガタしている場合は、複数ある気筒のうち一つが正常に燃焼していない可能性を考えます。

その状態で走り続けると、触媒など別の部品まで傷めることがあります。

ガタガタする、加速しないなどの症状がある場合は、安全な場所へ停車し、ロードサービスや整備工場へ相談してください。

ブレーキ警告灯はサイドブレーキだけとは限らない

ブレーキ警告灯は、サイドブレーキやパーキングブレーキをかけた状態でも点灯します。

まずは、パーキングブレーキが完全に解除されているか確認してください。

解除しても警告灯が消えない場合は、

  • ブレーキフルード不足
  • ブレーキ系統の異常
  • 電動パーキングブレーキの不具合
  • センサーや配線の異常

などが考えられます。

私自身の経験では、ブレーキ警告灯が点灯した状態で入庫する車は、それほど多くありません。

ただし、点灯する原因によっては安全に直接関わります。

次のような症状がある場合は、走行を続けないでください。

  • ブレーキペダルがいつもより深い
  • ブレーキの効きが弱い
  • ペダルが急に軽くなった
  • ブレーキフルードが漏れている
  • ブレーキに関する警告が複数表示されている

ブレーキの効きに違和感がある状態で、「整備工場まで近いから」と走行するのはおすすめできません。

安全な場所へ停車し、ロードサービスを利用するほうが安心です。

ブレーキの効きに違和感がなくても、パーキングブレーキを解除した状態で警告灯が消えない場合は、早めに点検を受けてください。

赤い水温警告灯はオーバーヒートの可能性がある

赤い水温警告灯が点灯した場合は、エンジン冷却水の温度が高くなり、オーバーヒートしている可能性があります。

走り続けると、

  • エンジン内部の損傷
  • シリンダーヘッドガスケットの損傷
  • 冷却水漏れの悪化
  • エンジン停止

など、大きな故障につながることがあります。

私の現場では、水温警告灯が点灯して入庫する車自体は、それほど多くありません。

警告灯が点灯しても、少し休ませると消え、そのまま整備工場まで持ってくる方もいます。

ただし、警告灯が消えたからといって、原因が直ったとは限りません。

停車して水温が下がったり、走行風によって一時的に温度が下がったりしただけの可能性があります。

赤い水温警告灯が点灯した場合は、できるだけ早く安全な場所へ停車し、整備工場やロードサービスへ相談してください。

蒸気が出ているときは無理に触らない

エンジンルームから蒸気が出ている場合は、すぐにボンネットを開けたり、ラジエーターキャップを外したりしないでください。

高温の冷却水が噴き出し、やけどをする危険があります。

エンジンを止めて安全な場所で待ち、ロードサービスなどへ相談してください。

電動ファンが弱くなって水温が上がることもある

水温が上がる原因には、

  • 冷却水不足や漏れ
  • 電動ファンの不具合
  • サーモスタットの不具合
  • ウォーターポンプの不具合
  • ラジエーターの詰まり
  • ベルトの異常

などがあります。

私が直接担当した中では、電動ファンのモーターが弱くなり、回ってはいるもののゆっくりにしか回らないケースや、まったく動かないケースが印象に残っています。

その状態では、停車中や渋滞中に十分な風を送れず、水温が上がることがあります。

ただし、これは整備業界全体で電動ファンの故障が最も多いという意味ではありません。

原因は車によって異なるため、水温警告灯だけで判断せず、冷却系統全体を点検する必要があります。

青い水温表示は故障ではない場合がある

車種によっては、エンジンが冷えているときに青い水温表示が点灯します。

これは冷却水温がまだ低いことを知らせる通常表示で、エンジンが温まると消えるのが一般的です。

赤い高温警告灯とは意味が違うため、色も確認してください。

一方で、走行してもエンジンが適正な温度まで上がらない、オーバークールの状態になることもあります。

私自身が直接担当した範囲では、オーバークールに関係するケースを一度経験しています。

これは勤務先全体や整備業界全体の件数ではなく、あくまで私が直接担当した範囲での話です。

オーバークールでは、サーモスタットが開いたままになるなどして、

  • 暖房が効きにくい
  • 燃費が悪くなる
  • 青い水温表示がなかなか消えない
  • エンジンが適正温度まで上がらない

といった症状が出ることがあります。

充電警告灯はバッテリー交換のサインとは限らない

バッテリーの形をした警告灯が点灯すると、

「バッテリーが寿命なのでは?」

と思う方も多いと思います。

しかし、充電警告灯は、バッテリー交換時期を知らせる表示ではありません。

エンジンが動いているのに、正常に充電できていない可能性を知らせる警告です。

原因としては、

  • オルタネーターの発電不良
  • ベルト切れや外れ
  • 配線や端子の不具合

などが考えられます。

私の経験では、充電警告灯で入庫する車はたまにあります。

原因としては、オルタネーターの発電不良を確認することが多い印象です。

一方で、ベルト切れは20年以上の経験で3回ほど、ベルトが外れたケースは1回程度で、私が直接担当した範囲では頻繁に見る故障ではありません。

走れていても早めに停車する

充電警告灯が点灯しても、すぐにエンジンが停止するとは限りません。

発電できていなくても、バッテリーに残っている電気がある間は走れることがあります。

ただし、あと何分、何km走れるかは判断できません。

使用している電装品、バッテリーの状態、昼か夜かなどによっても変わります。

国道や交差点などで突然エンジンが止まると危険です。

そのため私は、充電警告灯が点灯した場合は、できるだけ早く安全な場所へ停車することをおすすめします。

「整備工場まで20分だから大丈夫」とは言い切れません。

安全な場所へ停車し、整備工場やロードサービスへ相談してください。

オイル警告灯はオイル交換時期のお知らせではない

オイルの形をした赤い警告灯が点灯すると、

「そろそろオイル交換の時期なのかな?」

と思われることがあります。

しかし、この警告灯は、一般的なオイル交換時期のお知らせとは意味が違います。

エンジン内部の油圧が低下している可能性を知らせる重要な警告です。

オイル量が極端に少ない場合にも、正常な油圧を保てず点灯することがあります。

私の経験では、オイル消費が進み、レベルゲージにオイルが付かないほど減った状態で入庫する車があります。

この状態で走り続けると、エンジン内部の潤滑が不足し、大きな損傷につながる可能性があります。

点灯したらエンジンを止めて油量を確認する

オイル警告灯が点灯したら、安全な場所へ停車し、エンジンを止めてください。

車を平らな場所へ置き、少し時間を置いてからレベルゲージでオイル量を確認します。

オイル量が少ない場合は、その車に合ったエンジンオイルを適正量まで補充します。

油量不足だけが原因で、

  • 異音がない
  • 強い振動がない
  • オイルを補充すると警告灯が消える

という状態なら、自走できる場合もあります。

実際、私の現場では、オイルを補充したあとに自走できる車が多く、レッカーで運ばれてくるケースは多くありません。

ただし、次のような場合は走行しないでください。

  • ガラガラ、カラカラという異音がある
  • オイルを補充しても警告灯が消えない
  • 強い振動がある
  • 白煙が出る
  • オイルが大量に漏れている

この場合は、油量不足だけではなく、エンジン内部や油圧系統に不具合が起きている可能性があります。

補充だけよりオイル交換を選ぶこともある

オイル量が極端に少ない場合でも、まず走行できる状態へ戻すために補充が必要になることがあります。

ただし、補充だけでは、残っているオイルの劣化状態までは改善しません。

私の勤務先では、減った分を補充する料金と、オイル交換を行う料金が大きく変わらないことがあります。

そのため、レベルゲージに付かないほど減っている車では、補充だけよりもオイル交換をおすすめすることがあります。

ただし、オイルを交換して終わりではありません。

オイル消費が原因なら、その後もどのくらいの距離で減るのかを確認する必要があります。

オイル交換後も定期的にレベルゲージを確認し、極端に減る場合はエンジンの状態を点検したほうがよいでしょう。

警告灯と一緒に症状を見ることが大切

警告灯が点灯したときは、ランプの種類だけで自走できるかを決めるのではなく、車に出ている症状も確認してください。

特に注意したいのは、次のような症状です。

  • エンジンがガタガタ振動する
  • 大きな異音がする
  • 焦げた臭いがする
  • 白煙や蒸気が出ている
  • 加速しない
  • ブレーキの効きが弱い
  • ハンドルが急に重くなった
  • 複数の警告灯が同時に点灯した

これらの症状がある場合は、オレンジ色の警告灯であっても、無理に走行しないほうがよいことがあります。

反対に、エンジン警告灯が一度点灯して消え、車にもまったく違和感がない場合は、すぐに走行不能になるとは限りません。

ただし、故障履歴が残っている可能性があるため、都合のよいときに診断を受けておくと安心です。

私ならこう判断します

私なら、一般的な乗用車で警告灯が点灯した場合、次のように考えます。

  • エンジン警告灯だけで症状がない
    無理な加速や長距離走行を避け、早めに点検します。
  • エンジン警告灯とガタガタする症状がある
    走行をやめ、ロードサービスを検討します。
  • ブレーキ警告灯が消えない
    パーキングブレーキを確認し、ブレーキの効きに違和感があれば走りません。
  • 赤い水温警告灯が点灯した
    安全な場所へ停車し、エンジンを冷ましてから整備工場やロードサービスへ相談します。
  • 充電警告灯が点灯した
    あとどのくらい走れるか読めないため、できるだけ早く安全な場所へ停車します。
  • オイル警告灯が点灯した
    エンジンを止め、オイル量を確認します。異音がある場合や、補充しても消えない場合は走りません。

警告灯だけを見て、

「赤いからすべてレッカー」
「オレンジだからそのまま走れる」

と決めることはできません。

車種ごとの表示内容、異音や振動、ブレーキやハンドルの状態まで含めて判断する必要があります。

判断に迷う場合は、無理に自走せず、整備工場やロードサービスへ相談するのが安全です。

まとめ

車のチェックランプが点灯したら、まずは慌てず、安全な場所へ移動してください。

そのうえで、

  • 何の警告灯か
  • 赤色かオレンジ色か
  • 点灯か点滅か
  • 異音や振動があるか
  • ブレーキやハンドルに違和感がないか
  • メーターにどのような文章が表示されているか

を確認します。

エンジン警告灯は、症状がなければ早めの点検で対応できることもあります。

一方で、赤い水温警告灯や充電警告灯、オイル警告灯は、走り続けることで故障が大きくなったり、途中で走行できなくなったりする可能性があります。

ブレーキ警告灯も、パーキングブレーキを解除しているのに消えない場合は、軽く考えないほうがよいでしょう。

私が整備の現場で特に大切だと感じるのは、警告灯と一緒に出ている症状を見ることです。

ガタガタする、大きな異音がする、煙が出る、ブレーキが効きにくいなどの症状があれば、警告灯の色にかかわらず無理に走行しないでください。

「近いから大丈夫」と無理に整備工場まで走るより、安全な場所へ停車して相談したほうがよい場合もあります。

車種によって警告灯の意味や対応は異なるため、取扱説明書も確認しながら、迷ったときは整備工場やロードサービスへ相談しましょう。

タイトルとURLをコピーしました