車検を受けたあとに、
「なんとなく調子が悪い」
「警告灯が点いた」
「車検前にはなかった音がする」
ということがあります。
このようなとき、最初から「車検で壊された」と決めつける必要はありません。
ただし、車検や整備で触った場所が原因になっている可能性もあるため、まずは症状と作業内容の関係を確認することが大切です。
この記事では、私の職場で行っている対応を一例として、車検後に不調が出たときの考え方や、整備工場へ伝える内容を紹介します。
まずは車検作業との関係を確認する
車検後に不調の相談があった場合は、まず症状を聞き、次のような内容を確認します。
- 車検で行った作業
- 交換した部品
- 車検で触った場所
- 以前おすすめして見送った部品
- 車検からどのくらい経過しているか
車検で触った場所と症状に関係がありそうなら、一度車を確認します。
実際に誤組みや作業ミスが原因であれば、整備工場側で対応する必要があります。
一方で、車検では触っていない場所の故障が疑われる場合は、別の故障診断になることがあります。
簡単な確認だけで済む場合は無料で見ることもありますが、詳しい測定や分解が必要なら、診断料がかかることがあります。
車検を受けた店だから、その後のすべての故障診断が無料になるわけではありません。
原因を断定できないこともある
車検後に症状が出ても、工場側の作業が原因なのか、走行中に起きたものなのか判断できない場合があります。
たとえば、ブレーキ周辺から音が出て、バックプレートが曲がっていたとします。
この場合は、タイヤを外す作業中に接触した可能性がないか確認するとともに、
- 深い水たまりを走らなかったか
- 雪や氷、異物に当たった可能性はないか
- いつから音が出始めたか
なども聞き取ります。
それでも原因を断定できないことがあります。
簡単な調整で直せる内容なら、
「原因ははっきり断定できませんが、今回は調整しておきます」
という形で、費用をいただかず対応する場合もあります。
ただし、これは店舗側の配慮によるもので、すべての整備工場が無償で対応するとは限りません。
電子部品は故障時期まで分からない
イグニッションコイルやキーレスなどの電子部品は、車検時に正常に動いていれば、内部の劣化や、いつ故障するかまで判断することはできません。
イグニッションコイルは、点検や整備のために取り外す場合があります。
落としたり強い衝撃を与えたりしないよう注意しますが、内部の回路がどの程度劣化しているかは外から見えません。
車検直後に故障した場合でも、
- 取り外したことが原因なのか
- もともと内部劣化が進んでいたのか
- たまたま故障時期が重なったのか
を判断するのが難しいことがあります。
キーレスなども同じで、車検時に正常でも、数日後や数か月後に故障する可能性があります。
点検項目が多くても、分からない故障はある
点検項目が多い店舗では、より細かい部分まで確認してもらえるメリットがあります。
ただし、どれだけ多くの項目を点検しても、エンジン内部や電子部品の内部回路まで、分解せずに確認できるわけではありません。
車検では、主に安全に走る・曲がる・止まるための部分や、保安基準に関係する部分を確認します。
車検に通ったということは、検査をした時点で決められた基準を満たしていたという意味です。
次の車検まで、すべての部品が故障しないことを保証するものではありません。
車検時に交換しておけば防げた場合もある
車検後に故障した部品が、すべて予測できなかったものとは限りません。
点検時に劣化が確認でき、交換をおすすめしていた部品を見送っていた場合は、
「車検のときに交換しておけば、今回の故障は防げた可能性があります」
ということもあります。
そのため、不調の相談を受けたときは、車検時の見積もりや納品書、過去の整備履歴も確認します。
気になる症状は早めに相談する
車検後に気になる音や不調が出た場合は、できるだけ早めに整備工場へ相談してください。
車検から1年ほど経ってから、
「実は車検後からずっと調子が悪かった」
と相談されることもあります。
本当に車検直後から症状が出ていたとしても、時間がたつほど、車検作業との関係を判断するのは難しくなります。
また、すぐに確認できていれば軽い調整で済んだものが、そのまま乗り続けたことで周辺部品まで傷み、修理範囲が広がる場合もあります。
そのため、早めに相談した方が、結果的に修理費用を抑えられる可能性があります。
整備工場には症状をそのまま伝える
お客さん自身で原因を予想する必要はありません。
まずは、
「車検を受けたあとから、調子が悪いです」
と伝えれば大丈夫です。
そのうえで、次の内容が分かると確認しやすくなります。
- そのまま走れそうか
- エンジンが止まりそうになるか
- 停車中に症状が出るか
- 走行中に症状が出るか
- 警告灯が点いているか
- エンジンがかかるか
- いつ頃から症状が出たか
たとえば、
「停車中にエンジンが震えます」
「走行中に警告灯が点きました」
「エンジンはかかりますが、止まりそうになります」
「エンジンがかかりません」
という伝え方で十分です。
警告灯が点いている、エンジンが大きく振動している、止まりそうになるなどの症状がある場合は、無理に整備工場まで走らず、先に電話してください。
そのまま走行してよいか、レッカーが必要かを確認した方が安全です。
まとめ
車検後に不調や警告灯が出た場合は、まず整備工場へ相談してください。
整備工場では、
- 車検で触った場所か
- 誤組みや作業ミスの可能性があるか
- 車検時に正常だった電子部品の故障か
- 以前おすすめして見送った部品か
- 車検とは別の故障か
を確認します。
車検で触った場所が原因であれば、工場側で対応する必要があります。
一方で、車検時には正常だった電子部品や、エンジン内部の故障などは、車検で予測できない場合があります。
気になる症状が出たら、原因を決めつけず、できるだけ早めに相談してください。
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