1年点検は受けたほうがいい?必要性を整備の現場経験から解説

車検・点検

「1年点検って、受けたほうがいいんですか?」

お客様からよく聞かれる質問です。

1年点検は法定点検ですが、実際には受けていない方もいます。

ただ、1年点検は単に決められた項目を同じように確認するだけではありません。年間の走行距離や車の使い方、前回の車検内容によって、特に注意して確認したい部分は変わってきます。

年間2,000kmほどしか走らない車と、年間15,000km以上走る車では、部品の消耗の進み方も違うからです。

この記事では、自動車業界の現場で20年以上働いてきた経験から、1年点検を受ける意味についてお話しします。

1年点検は車の健康診断です

私は、1年点検を「車の健康診断のようなものです」と説明しています。

点検を受けたからといって、その後の故障をすべて防げるわけではありません。

それでも、状態が悪くなり始めた部品を、早めに見つけられる場合があります。

たとえば、ブレーキの固着です。

早めに見つかれば、ピストンやシール類の修理で済むことがあります。しかし、そのままブレーキを引きずって走り続けると、ブレーキローターなど周辺の部品まで傷み、修理費用が増える可能性があります。

ドライブシャフトブーツも同じです。

ブーツが破れたまま走り続けると、中のグリスが出たり、水や砂が入ったりして、ドライブシャフト本体まで傷んでしまうことがあります。

ブーツだけの交換で済むうちに見つけることも、点検を受ける意味の一つです。

前回の車検内容も参考にします

1年点検では、走行距離だけでなく、前回の車検でどのような整備をしたかも参考にします。

前回の車検で、

「今すぐ交換するほどではありませんが、今後も様子を見ていきましょう」

となった部品があれば、その部分を少し注意して確認します。

また、前回の点検記録簿や整備内容も参考にしながら、車全体の状態を確認していきます。前回から様子を見ている部分があれば、その後の変化にも注意して点検します。

車検のときには問題がなかった部分でも、その後の1年間で摩耗や劣化が進むことがあるからです。

走行距離が少ない車は、使い方も含めて考えます

年間走行距離が2,000km程度で、特に気になる症状がない車では、距離を多く走る車と同じように部品交換をおすすめするわけではありません。

ただし、走行距離が少なくても、バッテリーの劣化やゴム部品の傷みなど、距離だけでは判断できない部分もあります。

そのため、走行距離が少ないから点検に意味がないということではなく、車の使い方や前回の整備内容も含めて考えることが大切です。

一方で、年間15,000km以上走る方には、できれば1年点検を受けてほしいと思っています。

1年間で15,000km走れば、次の車検までの2年間では約30,000kmです。

オイル、タイヤ、ブレーキなど、走行距離によって状態が変わる部分も多いため、車検と車検の間に一度確認する意味は大きいと思います。

あまり乗らない車でも、バッテリーには注意

走行距離が少ない車でも、バッテリーには注意が必要です。

車は、あまり乗らなければバッテリーが長持ちするとは限りません。

短い距離しか走らなかったり、長期間乗らなかったりすると、十分に充電されず、バッテリーが弱ることがあります。

最近の車では、バッテリーの電圧が低下すると、メーター内に複数の警告灯が点灯する場合もあります。

その場合、バッテリー交換だけでなく、本当にバッテリーだけが原因なのかを確認するため、診断料がかかることもあります。

エンジンのかかり方が弱い、セルモーターの回り方が遅いと感じたら、早めにバッテリーを点検してもらうと安心です。

タイヤ交換の時期に合わせる方法もあります

フロントガラスに貼られている点検整備済ステッカーには、次回の定期点検時期が表示されています。

車検の有効期限とは性質が異なるため、表示月を少し過ぎたことで、車検切れのように直ちに公道を走れなくなるものではありません。

雪の降る地域では、点検時期を少し前後させて、春や冬のタイヤ交換に合わせて1年点検を受ける方もいます。

店舗の料金設定によっては、点検と一緒に行うことで、タイヤ交換を単独で頼むより費用を抑えられる場合もあります。

ただし、タイヤ交換の時期は整備工場がかなり混みます。点検も一緒にお願いする場合は、早めに予約した方がいいでしょう。

1年点検を特におすすめしたい人

特に1年点検をおすすめしたいのは、次のような方です。

  • 年間15,000km以上走る方
  • 普段あまりオイル交換をしない方
  • 前回の車検で経過を見ている部品がある方
  • 車の状態を自分で判断するのが難しい方
  • タイヤ交換と一緒に点検を受けたい方

1年点検は、自家用乗用車では1年ごとに行うことが定められている定期点検です。

1年点検を受ければ、故障をすべて防げるわけではありません。

それでも、車検と車検の間に一度状態を確認することで、悪化する前に気づける不具合があります。

ブレーキの固着やドライブシャフトブーツの破れ、バッテリーの劣化などを早めに見つけられれば、大きな修理になる前に対応できる場合があります。

1年点検を車の健康診断として、車の使い方に合わせて利用してもらえればと思います

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