バッテリー点検を受けたときに、
「テスターでは良好だったから、まだ大丈夫」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、バッテリーテスターは状態を確認するために必要な道具です。
ただし、どれだけ性能のよいテスターでも、確認できるのは測定した時点の状態です。
あと何か月使えるのか、いつ突然エンジンがかからなくなるのかまで、正確に予測することはできません。
この記事では、私がバッテリー交換を判断するときに重視していることを、整備やレッカー業務の経験をもとに紹介します。
なお、バッテリーの寿命は、製品や車種、車の使い方によって変わります。ここで紹介する内容は、一つの目安として参考にしてください。
まず確認するのはバッテリーの使用年数
バッテリー交換を考えるとき、私が最初に確認するのは使用年数です。
バッテリー本体に取り付け年月が書かれていれば、そこから何年使用しているかを確認します。
取り付け年月が分からない場合は、お客さんに、
「前回いつ頃交換しましたか?」
と聞きます。
バッテリーメーカーでは、製品によって2〜3年程度を交換の目安として案内していることがあります。
実際には、車種や使い方によって4年目まで使えることも少なくありません。
ただし、4年目に入っているなら「まだ使えるから大丈夫」ではなく、そろそろ交換を考える時期と見た方がよいと思います。
私の場合、小さめのバッテリーで取り付けから4年ほど、大きめのバッテリーでも4〜5年ほど使用していれば、基本的に交換をおすすめします。
交換を強く押しつけるわけではありませんが、テスターが良好でも、交換時期に入っていることは説明します。
バッテリーの使用年数はどこを見れば分かる?
バッテリー本体には、製造年月日や取り付け年月が記載されていることがあります。
私の場合、取り付け年月が分かるときは、そちらを優先して使用年数を確認します。
整備工場で交換したバッテリーには、交換した年月が大きく書かれたシールが貼られていることもあり、製造年月日より見つけやすいことがあります。
取り付け年月が分からない場合は、製造年月日を一つの目安にします。
ただし、製造年月日の表示方法はメーカーによって異なり、数字や記号だけでは分かりにくいものもあります。
見方が分からない場合は、無理に判断せず、整備工場で確認してもらうのが確実です。
テスターが「良好」でも過信しない
バッテリーテスターは、交換を判断するための大切な道具です。
ただし、私はテスターに「良好」と表示されても、それだけで今後も安心とは判断しません。
実際に、整備士がテスターの結果を見て、
「まだ大丈夫そうです」
と判断したあと、しばらくしてバッテリー上がりで入庫することがあります。
その整備士が何も確認していなかったわけではありません。測定した時点では、テスターに良好と表示されていたのだと思います。
しかし、テスターで分かるのは、その瞬間の状態です。
昨日まで普通にエンジンがかかっていたのに、翌朝突然かからなくなることもあります。
私自身、レッカー業務を経験したときに、バッテリー上がりによる出動が想像以上に多いことを知りました。
その経験から、現在はテスターの結果だけでなく、
- 使用年数
- バッテリーの大きさ
- エンジンのかかり方
- 車に乗る頻度
- 近距離走行の多さ
- 過去の交換履歴
を合わせて判断しています。
どれだけ優秀なテスターでも、将来いつバッテリーが上がるかまでは分かりません。
正しく測って「要交換」なら基本的に交換
バッテリーテスターの結果を見るときは、正しく測定できているかも重要です。
バッテリー端子のサビや腐食がひどい部分、接触しにくい場所で測定すると、正確な結果が出ないことがあります。
そのため、端子の状態を確認し、サビや汚れの少ない部分へテスターをしっかり接続して測定します。
正しく測定したうえで「要交換」と表示された場合は、基本的に交換を考えた方がよい状態です。
考え方を簡単に分けると、
- 正しく測って「要交換」なら、基本的に交換
- 「良好」でも、使用年数が長ければ安心しきらない
となります。
「要交換」という結果は重く見ますが、「良好」という結果だけで、今後の寿命まで判断することはできません。
バッテリーが弱っていても気づかないことがある
バッテリーが弱ってくると、エンジンをかけたときのスターターの回り方が、少し重くなることがあります。
ただし、毎日同じ車に乗っていると、少しずつ変わっていく音には気づきにくいものです。
また、目立った前兆を感じないまま、突然エンジンがかからなくなることもあります。
そのため、
「エンジンのかかり方は普通だから、まだ大丈夫」
とは言い切れません。
エンジンのかかり方も判断材料の一つですが、使用年数や交換履歴と合わせて見ることが大切です。
近距離走行ばかりの車は注意
近距離走行ばかりの車は、エンジンを始動するときに使った電気を、走行中に十分戻せないことがあります。
テスターの結果に問題がなければ、すぐに交換するのではなく、
「たまには少し長めの距離を走ってください」
と案内することもあります。
数分程度の走行を繰り返すだけでは、十分に充電できない場合があります。
特に充電制御車は、エンジンがかかっていれば常に同じ量を充電しているわけではありません。
たまにしか車へ乗らない場合は、定期的にある程度まとまった距離を走るか、必要に応じてバッテリー充電器を使用する方法もあります。
エンジンのかけっぱなしだけでは足りない場合もある
バッテリーが弱ったときに、
「しばらくエンジンをかけておけば大丈夫ですか?」
と聞かれることがあります。
ただし、アイドリングだけで必ず十分に充電できるとは限りません。
車種やバッテリーの状態、充電制御、エアコンやライトなどの使用状況によっては、思ったほど充電されないことがあります。
安全な場所を実際に走行するか、バッテリー充電器を使った方が確実な場合もあります。
エンジンをかけたままにする場合は、必ず屋外の安全な場所で行い、排気ガスや周囲への迷惑にも注意が必要です。
ドライブレコーダーの駐車監視も判断材料になる
ドライブレコーダーの駐車監視機能は、エンジンを止めている間もバッテリーの電気を使います。
テスターの結果や使用年数に問題がなければ、駐車監視が付いているだけですぐに交換するわけではありません。
ただし、駐車監視を使っていない車と比べれば、バッテリーが上がりやすくなる可能性はあります。
特に、
- 車に乗る回数が少ない
- 近距離走行が多い
- 駐車監視時間が長い
- バッテリーを長年使用している
という条件が重なる場合は注意が必要です。
4年目なら交換を考える時期
バッテリーは、交換時期に入っていても使えてしまうことがあります。
そのため、
「まだエンジンがかかるから大丈夫」
と交換を先延ばしにしやすい部品です。
しかし、バッテリーはテレビのリモコンの電池と似ていて、昨日まで普通に使えていたのに、急に使えなくなることがあります。
車の場合は、外出先や仕事へ行く朝にエンジンがかからなくなるため、生活への影響も大きくなります。
私の場合、取り付けから4年ほど使っているバッテリーは、テスターが良好でも交換時期に入っていることを説明します。
交換するかどうかを決めるのはお客さんですが、年数が経っていることを伝えず、その後すぐに上がってしまう方が問題だと考えているからです。
まとめ
バッテリーテスターは必要な道具ですが、結果だけを過信することはできません。
どれだけ性能のよいテスターでも、測定した時点の状態は分かっても、いつ突然上がるかまでは予測できないからです。
バッテリー交換を判断するときは、
- 取り付けからの使用年数
- テスターの結果
- 正しく測定できているか
- エンジンのかかり方
- 車に乗る頻度
- 近距離走行の多さ
- ドライブレコーダーの駐車監視
- 過去の交換履歴
を合わせて考えることが大切です。
正しく測って「要交換」と出た場合は、基本的に交換を考えましょう。
一方で、「良好」と出ても、取り付けから4年目に入っているバッテリーなら安心しきれません。
突然エンジンがかからなくなって困る前に、まずは取り付け年月を確認してみてください。
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